園芸のことなど

南カリフォルニアで園芸・農業の勉強中。他のことも書こうと思います。

カリフォルニア原産植物

アメリカへ来て、日本であまり気にかけていなかったことを気付かされることがある。原産植物への意識もそのうちの一つ。園芸業界全体に地域の原産植物を積極的に取り入れようとする姿勢があるのだ。

私が毎週ボランティアに参加している庭園でも、現在園内の一画にカリフォルニア原産であるカリフォルニアポピーを群生させようと試みている。

 

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カリフォルニアポピー

 

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この斜面に群生させるため、他の草を除草中。

 

南カリフォルニアではどの園芸店でも「一年草・多年草」、「落葉樹・常緑樹」、「ハーブ」などのカテゴリー分類の他に「カリフォルニア原産」というコーナーが設けてある。日本だと「山野草」という分類がそれに近いと思うけど、どこの園芸店にもある訳ではない。その土地原産の植物ということを意識して品種を選ぶことも少ない気がする。

これはアメリカと日本における自然保護に対する意識の違いなのかもしれない。アメリカでは地域多様性を保つために在来種を保全し、従来の生態系を脅かす外来種を規制しようとする取組が一般社会にまで浸透している。アメリカには固有種が少ないため外来種による生態系侵略被害が目に見えて感じられることと、行政機関や保護団体の広報が巧みであることに起因するのではないかと思う。

園芸店のような身近なところで原産植物を提案されたら、足を運んだ人は自然保護について考える機会が増えるし、取り入れやすい。情報を流すだけでなく、手軽に活動に参加できる環境が人々の意識を変えるのかなと思った。

 

地元(愛知)では環境に適応する園芸品種も多いし、周りは山なので色鮮やかな植物を育てたい気持ちになるけど、帰省したら私も調べて野草や原種も育ててみたいなと思うのであった。