園芸のことなど

南カリフォルニアで園芸・農業の勉強中。他のことも書こうと思います。

ローテーション花壇、そして等間隔植え

夏も終わりかけの9月。アメリカ東海岸に来てまず気になったのはマンションや会社、公共の場にある花壇だった。

日本でも見慣れたお馴染みの花、ベゴニアが等間隔に植えられていた。個人的にあまり好きでないと思っていた花と植え方なのだけど、目から鱗。美しく見えた。

 

東海岸の植栽帯は大抵低木の手前が花壇になっていて、数か月おきに季節の花が植え替えられている。まだ数回しか植え替えの様子を見ていないけれど、近所の花壇では夏の間咲いていた赤いベゴニアが10月初めに黄色と赤紫のスプレーギクに植え替えられた。そして11月に入ってスプレーギクはマルチカラーのビオラになった。

植え方自体は普通で日本でもお馴染みなのだが、花壇後方に会社の看板や低木類、グラス類があることでバランス良く美しく見える。高低差の重要さに改めて気づかされた。

 

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スプレーギクが植えられた花壇

 

一年草をローテーションするスタイルは日本でも見かける。もちろん家庭では一般的だが、それ以外で私が一番最初に思いだしたのは小中学校の花壇だ。私の通っていた学校ではレンガやブロックで囲まれた、だだっ広い花壇にマリーゴールドやパンジーが等間隔に植えられ、時には花で絵や文字が描かれていたていた。そんな花壇を見るたびに子供心に単調だし、色もごちゃごちゃして格好悪いなと思っていた。この記憶が私の等間隔植え拒否反応(等間隔植え=ダサい)を育てたように思う。

教育の一環として子供がデザインした絵を元に毎年花壇を作ることが採用されていると思うのだが、絵を描くだけなら花壇でやる必要もない。植物でやるならもっと立体感を持たせてデザインできることを教えてほしいし、絵としての見た目を評価するのではなく、植物や自然環境と関連したテーマ性のある花壇作りを考える機会が子供たちにあれば植物に親しみや興味を持つ人が増えるのではないかと思うのである。

 

話が随分逸れてしまったが、このような花壇は日本の公共施設やマンションの植栽でも参考になると思う。ただ問題なのは、植栽管理予算とデザインだ…。

ちなみにこのローテーション、南カリフォルニアではあまり見かけなかった。南カリフォルニアは温暖な土地であり、明るい花が咲く樹木も多い。冬以外は花を咲かした木がどこかにはある。また毎年水不足に悩まされることもあり、近年特に多肉植物や水をあまり必要としない植物(Drought torelant plants)が好まれているのも”ローテーション花壇”を見ない理由のひとつだろう。